この30年間で日本の経済的格差が拡大してきた、絶対に知っておくべき理由
みなさん、こんにちは!
本日も読んでくださいましてありがとうございます!
今回は、年々社会問題になってきている日本の経済的格差について、思索していきたいと思います。
かつては「平等」を重んじていた日本
かつて、ソビエト連邦のゴルバチョフ書記長は、日本を「世界で最も成功した社会主義国」と言ったことがあります。
冷戦下において、共産主義陣営の盟主であったソ連のリーダーが、自由主義市場経済の日本を、成功した社会主義国と呼んだことは、とても驚くべき出来事です。
たしかに当時は、所得税の累進度が今よりも大きかったので、今に比べては所得の再分配がなされていました。
また、「護送船団方式」というのがありました。
これは、例えば金融業界ですと、政府(大蔵省)が金融業界の各企業をまとめ、そして一番体力の弱い企業に合わせて商売をさせていくというものでした。
この「護送船団方式」は、当時の日本市場が、競争よりも平等を重んじていたことの象徴です。
しかし、バブル崩壊後の30年間において、所得税の累進度は下がりましたし、また「護送船団方式」のような、競争より平等を重んじる仕組みもすっかりなくなりました。その結果、現在の日本はますます経済的格差が広がっています。
なぜ、平等を重んじるシステムは廃れ、格差がどんどん広まっているのか?
それは、日本単独の問題ではなく、実は世界的なトレンドなのです。
西側主要先進国の間で、格差が広まってきている
この格差拡大は日本の問題だけではありません。
西側主要先進国とは、アメリカ、日本、ドイツ、イギリス、フランス、イタリアのことです。
これらの先進国は、第二次世界大戦後から冷戦が終わるまで、東側のソ連を盟主とする社会主義陣営と対立し、西側のアメリカを盟主とする自由主義陣営の中心メンバー国でありました。
これらの国はどれも、かつては経済が分厚い中間層に支えられ、また社会主義国にも負けないような大規模な社会保障システムを強いている国もありました。
そして、現在の上記6ヶ国においては、中間層の縮小と経済格差の拡大が問題になっています。
西側主要先進国において経済格差が広がっている原因は、冷戦終結後にグローバル化と新自由主義が同時に広まったことです。
新自由主義とは
冷戦終結前後には、多くの先進国で財政赤字が問題になっていました。
累進度の強い所得税と法人税を財源にしていた国が多かったので、不景気になった場合は税収が大きく下がります。
しかし、社会保障への政府支出はそう簡単に削れませんので、赤字国債を発行するしかないという国が増えました。
また、経営状況が悪く、常に赤字たれっぱなしの国営企業が増えてきたことも一因でした。(日本の日本国有鉄道など)
この財政赤字の拡大に対処するべく、新自由主義という、新しい政府の在り方が出てきました。
新自由主義の目的は、従来の平等を重んじる規制を撤廃して、企業間の競争を促すことで技術革新を早めさせることとともに、国営企業を民営化させ、社会保障システムにおける国民の自己負担割合を引き上げること等によって、財政赤字を縮小させることです。
この新自由主義は、多くの先進国で取り入られました。
日本での一番わかりやすい例としては、国鉄民営化、郵政民営化が挙げられます。
外国ですと、イギリスのサッチャー政権が、かつて「ゆりかごから墓場まで」というスローガンが謳われていた大規模な社会福祉システムを改革し、また多くの規制を撤廃したことによって、イギリス経済が好転しました。
これをきっかけに、ロンドン株式市場が世界に名だたる株式市場になりました。
グローバル化の影響
グローバル化はみなさんのご存知の言葉ですが、その意味をもう一度確認すると、「社会的・経済的に国を越えて世界規模でその結びつきが深まること」です。
まあ、一言で言えば、世界が狭くなることですね。
このグローバル化をもたらしたのは、なんといっても情報通信技術の大進化、すなわちインターネットの登場です。
このグローバル化と、格差の拡大に、どんな関係があるのでしょうか?
実はグローバル化によって世界がつながった分、世界中の企業にとっての競争の場が、それぞれの国から世界になったのです。
規制が緩い国にある企業のほうが成長速度が速く、逆に競争より平等を重んじる国にある企業は成長速度が遅くなるのは明確です。
また、成長が遅い企業は成長が速い企業に淘汰されます。
そして、多くの国は自分たちの企業が淘汰されないよう、自然と規制などを緩め、競争が促されるようになりました。
新自由主義とグローバル化が同時に起きた結果、先進国の経済格差が拡大
この新自由主義とグローバル化が同時に起きた結果、先進国の経済格差が広まりました。
競争性が追及された分、テクノロジーが発達し、確かに生活が便利になった部分もあります。
また、地球規模で見た場合、グローバル化のおかげで発展途上国に住んでいる人々もインターネットを使って先進国の人々と同じ土俵で戦えるようになりました。
しかし、先進国に住んでいる人からしたら、将来に対する不安が年々大きくなっているかと思います。
所得の再分配を強く推進する政策も、取っていくことができます。
しかしそうすると、日本企業がますます世界から置いていかれることも予測されます。
やがて日本企業が世界から淘汰され、日本国民がみんな外国の企業に搾取されていく可能性があります。
また、鎖国政策をとればいいと考える人もいるかもしれませんが、そうすると今度は日本はジリ貧状態となり、かつての社会主義国が歩んだ道と似たような道を進むかもしれません。
ここでの折り合いをどうするかは、政治家にとってかなり責任を伴う決断になります。
しかし私たちができることにおいて一番大事なことは、しっかり投票に行って、政治家に民意を伝えることです。
また、これからは中間層はますます減少し、社会は裕福な人と、そうでない人へ二極化していくとも言われています。
そうすると、これまでスタンダードだと言われてきた人生を過ごすことが難しくなります。
グローバル化が進展し、経済格差が広まった世の中で、新たな生き方を見つけていくことが必要とされています。
経済格差が広まって、富がますます裕福な人にあつまっていく時代を、読者のみなさんはどう生きていきたいのですか?
本日も読んでくださいましてありがとうございました。