歴史に残れ!我が思索記

適当に考えたことを適当に書き残していきたいと思います。

なぜ短所は無視して、長所を集中的に伸ばすべきか

 みなさんこんにちは!
本日も読んでくださいましてありがとうございます!

みなさん、大学入試の受験は経験したことありますか?
学校の定期テストでも同じですが、苦手な科目を克服して点数を稼ぐという戦略が一般的なものであると思います。

しかし、学校を卒業して、社会人になったとき、それ以降の人生戦略でも、自分の短所を常に治していくという戦略で過ごすのは、果たして良いのでしょうか?

今回は、それを思索していきたいと思います。

 

f:id:ytorotoro:20200511223019j:plain

勉強ができるからといって、仕事ができるとは限らない理由かもしれない

受験は、苦手な科目を克服したほうが点数が伸びやすい

 受験や定期テストでは、先ほども書きましたが、もともと得意な科目をさらに伸ばすようにするよりも、苦手であまり良い点数をとれない科目を勉強したほうが、全体の点数が上がって有利だと聞いたことがあると思います。

もともと70点以上取れる科目を、80点、90点に伸ばす努力より、40点しか取れない科目を70点取れるように勉強する努力のほうが、労力が少なく、また増える点数も多いからに他なりません。

実際、センター試験においては、基本的なことをしっかりと網羅すれば、ほとんどの科目は70点台に届きます。
逆にいくら得意な科目であったとしても、応用問題や難問の覚え方をマスターするには時間と気力を要しますので、苦手な科目の基礎を覚えたほうが楽なのです。

したがって、テスト勉強や受験勉強にあたって、多くの方は得意な所より苦手な所の方に注力して勉強してきたと思います。

 

 

試験戦略と同じように生きている人が多い

 しかし、試験戦略のように、人生でも自分の得意なことを伸ばすより、自分の苦手なことを克服していくスタイルで生きている人が多い気がします。

ある人が悩みやコンプレックスを持っているとき、それもほとんどは自分の短所を気にしているはずです。
世の中の人は、自分の悩みやコンプレックスを改善したり、他人に見られないように取り繕ったりすることが多いです。

他人から褒められて、気分が上がる幅より、他人に悪口を言われて、気分が下がる幅のほうが大きいです。
それはつまり、定期テストや模試で点数が悪かった教科を、もっと高い点数が取れるようにしっかり勉強することと同じことです。

 

 

社会やビジネスにおいて、ゼロ点はあるが、満点はない

しかし、ぜひ覚えていただきたいことが、試験は100点満点です
100点満点だったからこそ、もともと70点をとれるものを伸ばしても意味がなかったのです。
それに対して、実際の社会、及びビジネスの世界には、何らかのスキルに対して満点という概念がありません。
つまり、自分の得意なことを際限なく伸ばすことができるのです。

社会や仕事において、もともと得意でないことを人並みレベルで出来るようになるには、かなり努力を要します。
一方で、自分がもともとできること、得意なことを伸ばすにはそこまで労力は要しないはずですし、かなり努力をすれば周りの誰にも負けないようなスキルを身に着けることもできるでしょう。

そう考えると、社会や仕事において、自分の向いていないこと、できないこと、不得意なことを、克服するべく努力することに時間をかけることよりも、自分がもともとできること、得意なことを一所懸命に、誰にも負けないレベルまで伸ばしたほうが、能率がいいわけです。

 

 

一流経営者やアーティストに、癖が強い人が多い理由

 得意なことだけ一所懸命に頑張った人たちの例に、一流経営者やアーティストが挙げられます。
その方たちは自分の得意なことだけを追求した結果、自分の不得意なことや短所は一切気にしない人が多い気がします。

中には、人に対してカッとなりやすかったり、掃除できなかったり、ヘビースモーカーだったり、酒癖が悪い人などがいるでしょう。
そいう彼ら・彼女らの短所に対して、あまりいい気がしないから、彼ら・彼女らを嫌いになってしまう人たちは一定数います。

だが、彼ら・彼女らも当然自分の短所には気づいているはずです。
いい年をした大人なら、自分の悪い所に気づけないはずがありません。
しかし、一流の方たちはそれを治しません。
それを治すことに時間をかけるより、自分が活躍している分野でのスキルを磨いたほうがはるかにリターンが大きいと、その方々は考えるからです。

なお、これらの人たちの生き方は、少々極端ではありますが、大いに参考にはなると思います。

 (関連記事)

ytorotoro.hatenablog.com

 

 

短所だけを治す努力ばかりすると、無難な人間になってしまうだけ

 一方、先述の人たちとは真逆で、もし受験戦略と同じように、不得意なこと、できないことだけを克服できるように努力したらどうなるのでしょうか?
ただの無難な人間になってしまいます。
欠点はないが、特にこれといった長所もない人間になります。

上司が無難な人間に仕事を任せるとき、その仕事を任せたらいいのか、迷うはずです。
それは、無難な人間はいろんな仕事をできますが、どの仕事も人並みレベルでしかできないからです。
従って、昇進につながるような重要なプロジェクトは逆に任されにくくなるかもしれません。

そもそも、時間は有限でありますから、自分のできないことをできるように努力するための時間と、自分の得意なことを誰よりもできるように努力するための時間は、トレードオフの関係にあります。

バランスよく時間を使い分けるのもいいかもしれませんが、そう簡単にはできないのが実情でしょう。

 

ytorotoro.hatenablog.com

 

 

比較優位の原則によると、各々の得意なことだけに集中したほうが、みんなが幸福になる

 経済学に比較優位の原則というものがあります。
この理論は、もともと国際貿易の研究において使われていました。

例として、日本と中国しかいない世界を仮定します。
また、この世界では自動車とパンしか作られないことも仮定します。
このとき、自動車もパンもどっちも日本の方が生産性が高いものとします。

その前提だけでは、日本だけ自動車とパンを作ればいいじゃないかと聞こえてきそうですが、まだ仮定は続きます。

日本国内だけを見たとき、自動車のほうが生産性が高く、中国国内だけではパンのほうが生産性が高いとします。

つまり、まとめると、
国で比べたとき、日本の方が中国よりも自動車もパンも作るのが得意です。
しかし、国内のみで見た場合、日本はパンよりも自動車を作るほうが得意で、中国は自動車よりもパンを作るほうが得意です。

以上のことを分析すると、日本は自動車の生産に特化して、中国はパンの生産に特化したほうが、お互いの国にとって一番利益が高い状態であると結論付けられます。
比較優位の原則について興味のある方は、ググってください。

以上の比較優位の原則は、モノの生産だけでなく、人間の各々の仕事にも当てはまりますし、実際のところ近年この比較優位の原則は貿易だけでなく、様々な経済活動の研究にも用いられています。

特に現在は、企業でも個人でもアウトソーシング、いわゆる「外注化」も進んでいます。
例えば企業レベルでいいますと、あるメーカー企業が自身のITサービスを維持・発展させるためにわざわざ新しく人員を雇って教育することよりも、そいう情報系の仕事が得意な企業に委託させて、自分の会社はもともとの本業の製品開発等に集中したほうが、お互いに利益をもたらします。

また、個人レベルでも、水回りやエアコンの掃除を業者に任せている人も増えてきています。
ネットビジネスなんかをやっていて、仕事とプライベートの仕切りがないという人にとっては、そいう時間も労力もかかる家事を他人に委託して、その空いた時間と労力を自分のビジネスに割いたほうがはるかに能率が良いです。

従って、企業レベルでも個人レベルでも、各々がそれぞれの得意なことに特化したほうが、最終的には全員の利益が増えるのです。

 

 

自分の短所ばかり気にせず、得意なことを見つけて、頑張ろう!

 先ほど、得意なことに特化すると述べましたが、どれだけ特化するべきかは自分の心の中で決めましょう。
どれだけ得意なことでも、ずっと同じことをすると気が病むと思いますから、ほどほどに別のことをやったり新しいことにチャレンジしてみるのもいいかもしれません。

また、短所は気にしないほうがいいようなことも書きましたが、社会人としての最低限のマナーはもちろん身に着けたほうがいいですし、それに加えて仕事に悪影響を著しく与えてしまうような欠点があれば、それももちろん改善しなければなりません。

しかし、いずれも「完璧に」治さないといけないわけではないと思います。
自分の仕事や自分自身の人格の評判に対する、それらの欠点が与える影響が、だいぶ減ったなってくらいでちょうど良いと思います。

あとの時間は、自分の好きなこと、できること、やってて苦にならないこと、得意なこと、生産性が高いことにいっぱい使って、長所を誰にも負けないところまで伸ばすようにしましょう!

 

本日も読んでくださいましてありがとうございました。